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「・・・んぅ・・・」
白い光が眩しくて、新一は深い眠りから意識を呼び起こされた。
(んー・・朝・・・?)
この様子だと本日の天気はとても良さそうだ。しかし眠いものは眠いし、何より今日は休日。本能に従って寝続けても誰も文句は言わないだろう。
(寒・・・)
何だかやけに寒さを感じる。天気は良いが冷え込んでいるのだろうか?もぞもぞと身じろいでいると、すぐ傍に暖かいモノが。何を思う訳でも無く新一はその温もりに摺り寄った。
(あったけ~・・・vv)
しかし自分は湯たんぽとか持っていただろうか?寝ぼけた頭でそんなことをぼんやり考えていると、その湯たんぽもどきはふわりと優しく新一の身体に腕を回し、暖めるように包み込んできた。
(・・・・・・・・・・・・・・・・・腕?)
眠さに閉じそうになる目をこじ開けて見てみると・・・そこには自分とよく似た、しかしどこか違う顔が気持ち良さそうに眠っていた。
(~~~~~~っっ!?)
声を出さなかった自分を褒めてやりたい。
(だ、だれコイツ・・っ!?ってかここ何処だ!?)
目線だけ動かして辺りを見てみると、自分が全く見覚えの無い部屋にいる事に気がついた。あまりの衝撃にバッチリ目が覚めた新一は、とりあえずこの目の前の男を起こさないように細心の注意を払いながら脳内会議を開く事にした。
(お、落ち着け俺・・・えっと昨日は確か・・・)
昨日は特に要請も無く、平和な一日を過ごしていた。放課後は新刊が出てるからと本屋へ行く為、HRが終わった瞬間に教室を飛び出して帰宅した。その時の幼馴染の少し呆れた顔まで鮮明に覚えている。そしてそれから・・・
(あーーーーーーっ!!)
思い出した。
(こ、こいつ、怪盗KID・・・っ!!)
今の今まですっかりさっぱり脳内から消え去っていた事実。それほどまでにショックな出来事だったのだ。まさかあの世間を騒がしている怪盗が正体を晒して、しかも探偵である新一に会いに来るなどと誰が思うだろうか。いや、誰も思う筈が無い!(反語)そしてこの男は学校から出てきた新一を拉致(新一の中ではそう認識)してその後・・・その後?
(あれ・・・記憶が吹っ飛んでる・・・?)
考えても考えても、その後の記憶が思い出せない。
(と、とにかくコイツが起きる前に家に帰ろう、うんそうしようっ)
脳内会議の結果、そうした結論が出た。何がどーなったら怪盗と探偵、しかも男同士で同じベッドの中で寝るような状況になるのか。非常に気になったが、それよりも今のこの状態の方が心臓に悪い。考える事は家でも出来るのでまずは現状打破をするため、新一はコッソリと行動に移った。
そーっとそーっと、出来る限り動かさないで自分に巻きついている両手を外していく。何とか腕の中から抜け出すことが出来て一息付く。そしてなるべく気配を消しながら相手から離れてベッドから出ようとして・・・気が付いた。
(な、な、な・・・何で服着てねーんだよーーっ!!)
道理で寒さを感じる筈だ、などと感心している場合ではない。
(な、何で、一体何があった・・・っ!!)
ベッドから出るに出れなくて、真っ赤になりながら新一は泣きそうになってた。
(ま、まさか・・・いやいやそんな事、ある訳ねーって!!でも何か身体がダル・・いや、気のせいだ!!)
真っ赤になったり青褪めたり首を振ったりしながらベッドの端っこで固まっていると。
「・・・なーに朝から一人で百面相してるのかな?」
いきなり声がしたかと思うとぐいっと横から引っ張られて、気づいたら新一は再びベッドの中央・・・男の腕の中にいた。
「へ?」
「あーもうさっきから好きにさせてたら可愛過ぎ!!何なんだよお前~vv」
そういってぎゅーっと抱きしめてくる男。一瞬頭が真っ白になったが、男の台詞から今までの自分の行動全てが見られていたという事が分かり、羞恥に顔が真っ赤になっていくのが自分でもハッキリ分かった。
「な、な、な・・・」
「ん?何、もしかして気づいてなかった?いきなり擦り寄って来たと思ったら真っ赤になったり固まったり、ホント俺我慢するの大変だったんだぜーvv」
言いながら、なおもぎゅうぎゅう抱きしめてくる。そこで気づいた。自分だけでなく目の前のこの男も裸であるという事に・・・男同士、同じベッドに、裸・・・はだか・・・。
「何なんだお前はーーーーっ!!!」
先程男が言ったのとは全く異なるニュアンスで新一は叫んだ。ちなみにその顔は見事に真っ赤だ。
「何って・・・新一覚えてないの?」
「知らねえ知らねえ、お前なんか知らねーーーー!!」
真っ赤になって叫びながら、男の腕から逃れようとジタバタともがく新一。しかしその腕は全く緩まず。
「やだなぁ新一・・・昨日あんなに激しく愛し合ったのに」
暴れる新一の耳元に、ぞくりとするような低音で囁かれる。ビクッと、それまで暴れまくっていた新一はそれだけで大人しくなった。それは身体を良く分からない電流のようなものが走ったからという事もあるが、なにより囁かれたその内容が気になった。
「あ、あ、あ」
「あ?」
「・・・あい?」
「そ、愛v」
「・・・誰と誰が?」
「俺と新一v」
「・・・・・・嘘」
「な、訳無いでしょ。ホントに忘れちゃったの?」
あまりの事実に呆然としている新一を覗き込むようにして見る男。ふと顔を上げた新一は、目の前にある瞳が確かに見覚えのあるものだと気づいた。そう、意識を失うほどの快楽の中で唯一覚えているその強い光を湛えた瞳・・・。
ぼんっ
昨夜の、出来ることなら忘れていたかった恥ずかしすぎる行為を思い出してしまった新一の顔は一気にゆでだこの様になる。そうだ、そうだった、昨日は拉致された後、「黒羽快斗」と自己紹介までされて彼の言った「お茶」というものをし、そこで意外にも話が合って、楽しくてそのままこの怪盗の家だと思われる所へ行き、そうして気づけばベッドに押し倒されて・・・
(うわあああ~~~~~っっ///////)
恥ずかしい、恥ずかしすぎる。いつもの警戒心はどこへ行ったんだ自分。いや、しかしコイツは自分の大好きな『謎』の塊のあの怪盗KIDなのだ。そんなKIDの家と言われて断る事ができる筈が無いではないか。誰だって着いて行くに決まってる。
(だからって、どうしてこんな状態になんなきゃいけねーんだよっ)
全てを思い出してぐるぐると思考の海に沈んでいく新一を男―――黒羽快斗は楽しげに見つめていたが、折角思い出したのだから自分にもっと構ってほしい。それでなくても朝からあんな可愛いことを色々とされて、良い加減我慢も限界に来ている。それに新一は、恥ずかしがってはいるもののその表情に嫌悪感が浮かぶ事はなかったし・・・
「なかなか脈はアリかな?」
「へ?」
「いや、何でも。ところで昨日の事を綺麗さっぱり忘れちゃった新一君?仕方が無いから俺が思い出させてあげましょう♪」
「や、思い出した、思い出したから・・ってこの手は何なんだ!!」
「ん?本当に新一が思い出したか確かめよーと思って。それにもう一回ヤればもう忘れる事も無いだろーし?ってな訳で・・・イタダキマス♪」
「やめ・・・快斗・・・っ!!」
あの様子を見てれば思い出した事なんて一目瞭然だけど、そんな掠れた声で名前呼ばれて止まる訳無いデショ?諦めて美味しく頂かれてね、名探偵♪
終わっとけ。
うふ、うふふ・・・取り合えず逃げとこう(待て)「お持ち帰りまでの過程」をすっ飛ばしていきなり「お持ち帰り後」になっててすみませんorz しかも一番肝心なとこ(えろ)は抜けてるしね!所詮私にはコレが限界だぜコンチクショー!!(笑)こんな駄文ですがTさんに捧げます!(うわ、イラネェッ!)